Martin Luther King Jr

アメリカでは毎年1月の第3週目の月曜日をマーティン・ルーサーキング・ジュニアの日として祝日としています。日本では彼のフルネームよりも『キング牧師』という名称の方がより広く知られているかもしれません。時期外れではありますが、National Archivesのオンラインサービスで彼の写真やテキスト資料を見つけたのでそれらと共に彼にまつわる資料紹介をしたいと思います。

 

【”Civil Rights March on Washington, D.C. [Dr. Martin Luther King, Jr. speaking.” ; Miscellaneous Subjects, Staff and Stringer Photographs, 1961 – 1974, Record Group306, National Archives at College Park, College Park, MD [online version available through the Archives Research Catalog (ARC identifier 542068) at https://www.archives.gov/ July 22,2017】

 

彼はアフリカ系アメリカ人公民権運動の指導者としてこの世に名を遺したのですが、当時彼以外にも前線で活躍している有名な指導者はいました。が、彼が指導者として指揮する運動の特徴には他とははっきりと異なる部分がありました。一切抵抗しない「非暴力主義」運動を彼は徹底して貫いた事で有名となりました。

 

他にも1963年8月28日に行われたワシントン大行進(大規模なデモ)では有名な『I have a dream』で知られる演説を行いました。この演説はアメリカ歴史の中でも代表的な演説であり、未だに アメリカの学校教育の中では演説の例として使用されることもあります。私自身、こちらの大学で演説のクラスをとっていた際に一部を覚えなければならず苦労しました。この『I have a dream(私には夢がある)』という文言は元々人種差別撤廃を目的に使用されているのですが、個人的にはこの文言があることで人種差別撤廃という状況に特定せずとも、どのような状況下でも希望をもらえる演説に仕上がっているような気がします。また『Dream』という単語は国、人種を問わず希望に満ちた単語なので、英語での演説を習い始めだった私もより親しみやすく習うことができました。この文言はいくつもの段落の冒頭部分に使用されており、当時彼の演説を聞いていたアメリカ市民の胸に響く一節だったのではと思いながら習っていたのを思い出します。

 

次の写真はこの有名な演説が行われたワシントン大行進の時のものです。リンカーン記念堂の前で観衆に向かって演説を行っているマーティン・ルーサー・キング・ジュニア氏がおさめられています。

 

【”Photograph of Dr. Martin Luther King Jr. addressing the crowd during the 1957 Prayer Pilgrimage for Freedom in Washington, D.C.”; Combined Military Service Digital Photographic Files, 1982 – 2007, Record Group330, National Archives at College Park, College Park, MD [online version available through the Archives Research Catalog (ARC identifier 6641456) at https://www.archives.gov/ July 22,2017】

 

この歴史的な大行進は彼を含む当時の指導者達やスポンサーによって何度も話し合いが行われ、企画された事がNational Archivesの資料に残っています。次の写真は当時最終的なパンフレットとして配布されたものでオンラインサービスで閲覧する事ができます。

 

【”Final Plans for the March on Washington for Jobs and Freedom”,; Records of the U.S. House of Representatives, 1789 – 2015, Record Group233, National Archives at College Park, College Park, MD [online version available through the Archives Research Catalog (ARC identifier 560) at https://www.archives.gov/ July 22,2017】

 

公民権運動でリーダーシップを発揮し、たくさんの人々を魅了した彼はワシントン大行進から5年後、講演に訪れていた都市で暗殺され、わずか39年というその生涯を終えることとなりました。当時の大統領、リンドン・べインズ・ジョンソン大統領も彼の死に対して追悼の意を示し、彼の死から数日後に大統領告示3839としてアメリカ市民に対して彼の死を発表しています。弔意を表すために政府の建物を始めとするいくつかの建物の国旗を半旗にするように、と提案しています。

 

【”Presidential Proclamation 3839 of April 5, 1968, by President Lyndon B. Johnson designating Sunday, April 7, 1968, as a day of national mourning for Martin Luther King, Jr.”; General Records of the United States Government, 1778 – 2006, Record Group11, National Archives at College Park, College Park, MD [online version available through the Archives Research Catalog (ARC identifier340 ) at https://www.archives.gov/ July 22,2017】

 

今回紹介した写真やテキスト資料以外にも彼に関わる資料はいくつもオンラインサービスで閲覧することができるようになっています。が、これらの他にも直接National Archivesに出向かなければ確認できない資料も多々あります。彼の演説はオリジナル資料として音声と動画にてここカレッジパークにあるNational ArchivesⅡにて大切に保管されています。(MJ)