1853年、浦賀沖に日本への開国を求めるアメリカ大統領の国書とともにペリーが来航し、翌年日米和親条約が結ばれます。そして、ハリスが下田にアメリカ総領事として着任し、日米修好通商条約が結ばれることになります。江戸幕末期は外交的にも国内政治、そして日本経済も他国の影響を受け、激しく変化をした時代だったのではないかと思います。今回は米国公文書館のオンラインで見ることができる、そんな江戸幕末期の外交資料をご紹介したいと思います。
Letter from Shogun Tokugawa Iyemochi; General Records of the Department of State, 1763 – 2002, Record Group 59; National Archives at College Park at College Park, MD[online version available through the National Archives Catalog (National Archives Catalog identifier 6883722) at www.archives.gov; Jan 5, 2016]
上の資料は安政7年(1860年)、14代将軍である徳川家茂の親書です。文章の最後に源家茂とあり朱印も押されてあります。最初無地の紙をイメージしていたのですが、実際画像を見てみると、大変きれいな柄のある紙で日本らしさを感じました。
他にも家茂がアメリカ大統領にあてた書簡があります。下の資料ですが文久元年(1861年)のもので、江戸・大阪の開市と兵庫・新潟の開港の延期に関する内容が書かれてあります。こちらもきれいな紙を使用しており、このような書簡は木箱に入れられ届けられていたようで、その木箱もあります。オランダ語で書かれた翻訳も見ることができます。
Letter from Minamoto Semotsi to the President of the United States; General Records of the Department of State, 1763 – 2002, Record Group 59; National Archives at College Park at College Park, MD[online version available through the National Archives Catalog (National Archives Catalog identifier 6883703) at www.archives.gov; Jan 5, 2016]
文久元年の家茂の親書にも老中久世大和守と安藤對馬守の名前が出てきますが、その親書と同じ日付で老中久世大和守と安藤對馬守がアメリカ合衆国外国事務大臣に宛てた書簡もあります。
Letter from Kuse and Ando, Ministers of Foreign Affairs of the Shogunate to the Secretary of State; General Records of the Department of State, 1763 – 2002, Record Group 59; National Archives at College Park at College Park, MD[online version available through the National Archives Catalog (National Archives Catalog identifier 6883709) at www.archives.gov; Jan 5, 2016]
たまたま、米国公文書館のNational Archives Catalogの検索で江戸幕末期の資料を見つけ、こういった資料もあることに驚いてしまいました。これらの資料は特別な保管庫で大切に保管されており、実物を閲覧することはできません。しかし、オンラインで見ることができるようになっており、大変貴重で興味深い資料だと思います。(NM)